スピーチロックを抑止する「利用者との心の距離と言葉づかい」
強い口調で命令的な言葉や威圧的な態度よって利用者の行動を抑制したり、禁止をする声かけのことを「スピーチロック」と言います。スピーチロックは、利用者の人格や尊厳を否定する言葉です。利用者や家族との関わり合いの中での間違った距離の取り方により、不適切な言葉づかいや態度が「不適切なケア」に繋がります。本講座では、そのままにしておくと「虐待」に繋がりやすい「不適切なケア」を抑止するために必要な、利用者や家族との心の距離の取り方、最適なコミュニケーションをするための関わり方を学びます。講義だけでなく、グループワークやロールプレイ、事例を基にした話合い等を交えて気づきの多い研修を行います。
研修内容
◆利用者や家族との心の距離の取り方
馴れ馴れしくなる原因と改善方法を学びます。
◆福祉現場の最適なコミュニケーションの取り方
親しみやすいマナーとコミュニケーションについて学びます。
◆スピーチロックを抑止するための取り組み
相手の立場やプライドを傷つける言葉づかいを学びます。
間違った言葉づかいになる原因と対策を学びます。
言葉の言い換えや優しい言葉の使い方などを学びます。
スピーチロックの注意点
利用者の行動を抑制したり、禁止する言葉は、利用者を職員の都合で動かそうとする時に使いやすい言葉です。介護現場は、「介護する人」と「介護される人」の関係になりやすく、職員は無意識のうちに支配的立場に立ってしまいがちです。職員が何気なく発した、利用者の行動を抑制したり、禁止する言葉によって、利用者は行動意欲が失われて、意思表示をしなくなってしまったり、身体を動かさなくなってしまうこともあります。身体を動かさないでいると筋肉の衰えにもつながります。スピーチロックによって、行動が抑制されることで利用者のADL(日常生活動作)の低下に繋がる可能性もあります。
介護現場には3つのロックがあります。
①ドラッグロック
向精神薬等の薬物を過剰投与することで利用者の身体をコントロールする行為
②フィジカルロック
腰ベルトやひも、つなぎ服などで身体の動きを物理的に制約する行為
③スピーチロック
威圧的な態度で、命令的な言葉によって利用者の行動を抑制したり、禁止する行為
スピーチロックは、言葉による行動制限です。
また、スピーチロックが行われる原因の1つに、職員が過度に負担を抱え過ぎていることもあります。単に「不適切なケアは止めるように」と指示を出しても、問題を改善することはできません。管理者は、このような問題が生じる理由を、問題を起こした職員の資質や能力不足と決めつけずに、現場環境を見直して、人員を増やしたり、職員教育を充実したりして、職員のストレスを軽減する対策を考えるなど、組織としての問題の解決に取り組む必要があります。
不適切なケアとは
近年、介護施設の職員による利用者への虐待が新聞などによって多く報道されています。
虐待が増えている要因には、コロナ禍でご家族やボランティアの方が施設を訪問する機会が減少することにより、外からの目がなくなることで、利用者本位のケアから、職員のやりやすいケアである職員本位のケアになってしまい、それが「不適切なケア」に繋がる原因にもなっているのではないでしょうか。
「不適切なケア」とは、虐待ではないが、適切ではないと思われるケアのことを指します。
「不適切なケア」をそのままにしておくと、それが当たり前になってしまい、徐々にエスカレートして虐待になってしまう可能性があります。まず、「不適切なケア」を改めることが虐待防止に繋がります。そのためには、「不適切なケア」を早期に気づき対処することで虐待の芽を防ぐことができます。
参加者の声
参加者の方から、このような感謝の声をいただきました。
・大変有意義なセミナーでした。職場において、他スタッフに説明できる内容でした。
・内容を分かり易く話していただけたので、大変分かり易かったです。
楽しく受講することができました。
・接遇の事を詳しく学ぶ機会が無かったので、有意義な研修でした。
・相手の気持ちや思いに配慮したコミュニケーションが大切だと再認識しました。
・「ご利用者さんを待たせる事」について考える機会が持てました。
・敬語の使い方を再確認することができました。
・講師の先生のお話がとても分かり易かったです。
・接遇の研修は何度か受講していますが、日々の仕事の反省や気付きを改めて学びました。
また明日から本日の研修を活かし、仕事に取り組んでいきます。
・現場で起こりうる事例検討もあり、職場を想像しながら意見交換ができました。
・他の受講生の方の意見を聞く機会が多く、勉強になりました。
声を出す機会も多く、楽しかったです。
・親しみやすい、マナーのポイントは大変ためになりました。
・この研修を受けて改めて言葉遣いを考えました。相手が受け入れやすい言葉選びをしていきます。
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